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広島港は、一級河川太田川河口デルタの先端に位置し、海上に点在する島々や半島により年間を通じて波静かな天然の良港として知られており、瀬戸内海における海上交通の要衝として発展してきました。
歴史的には、16世紀末、毛利輝元が城を築き、城下町をつくりあげたのが始まりで、1884年(明治17年)より、時の県令千田貞暁が宇品築港事業を敢行し難工事の末1889年(明治22年)に竣工し近代港湾としての機能を整えました。その後、日清戦争から第二次世界大戦が終わるまでの間、旧陸軍の補給基地として栄えました。
コンテナ化の進展等に対応した施設の整備が進み、並行して諸外国との航路網が形成されていることにより、中国地方のグローバルゲートとしての地位が高まっています。このような状況の中、1992年に全国で21番目の特定重要港湾の指定を受け、2011年3月の港湾法改正により国際拠点港湾として認定されました。
中国地方の政治、経済、文化の交流拠点として、また、世界に開かれた国際港湾都市の玄関口として大きく期待されています。
- 海田コンテナターミナルは、5千DWT級(500TEU積級)のコンテナ船に対応した広島港で最初のコンテナターミナルとして1988年に岸壁(−7.5m)2バースで竣工しました。韓国、台湾や中国などへのダイレクト輸送や神戸港へのフィーダーサービスが行われています。宇品地区と海田地区を結ぶ海田大橋は、整備中である広島南道路と直結し、広島港東部の港湾貨物の円滑な流通と都市交通の緩和を図るために建設された長大橋で、1990年12月に完成しました。安芸の宮島の大鳥居をモチーフに周囲の景観に溶け込み、落ち着いた雰囲気で夜の広島湾に彩りを添えるようライトアップされています。
- 広島港宇品旅客ターミナルは、瀬戸内海における海上旅客交通の拠点として、江田島や能美島等の島しょ部をはじめ、四国地方への定期航路のほか、瀬戸内海のクルーズ船の発着場として利用されています。隣接する旧ターミナルには、フェリー待合所のほか、広島県の土産物や海の幸、山の幸が揃った観光物産館が入っています。
ターミナルの北側に位置する約10haの「広島みなと公園」には、ピクニック広場やランニングコース、グランド、休憩所等数多くの施設があります。憩いの場であるとともに、震災時の避難場所やヘリポート等の防災拠点でもあります。
- 出島地区にある広島港国際コンテナターミナルは、5万DWT級(4,000TEU積)の大型コンテナ船に対応した水深14mの岸壁やガントリークレーン等を有する中四国最大のコンテナターミナルとして平成15年3月から供用が開始されました。中国や韓国、東南アジアをはじめとする各国との貿易拠点であり、中国地方の地域経済を支えています。また、この地区の東側では出島廃棄物処分場の整備が広島県によって平成15年8月から進められており、平成26年3月末に整備工事が完了し、平成26年6月から産業廃棄物等を受け入れています。
- 八幡川の河口西側沖合に、広島都市圏の物流拠点として3万トン級の貨物船の入港が可能な水深12mをはじめとする外貿岸壁を整備しています。また、本地区背後では教育、住宅、公共施設などの用地や、市民の憩いの場となる公園・野鳥園なども整備されつつあり、潤いのある豊かな港湾空間が創出されます。