中国地方整備局
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空港関係

空港の整備

中国地方整備局では、国が設置管理する広島空港と、共用空港である2空港(美保飛行場、岩国飛行場)の滑走路や誘導路、エプロンなどの土木関連施設の整備及び、災害復旧に関する対応を行っています。
 とりわけ広島空港は、中国地方の国際・国内線の航空輸送網の拠点となる空港で、背後圏の経済活動を支える重要な役割を担っており、更なる安全性向上を図るため、航空機がオーバーランまたはアンダーシュートを起こした場合の航空機の損傷軽減対策として、着陸帯両端に安全確保のために設けることとされている滑走路端安全区域(RESA)の整備を実施しています。
その他、管内空港では日々巨大な航空機が使用するため、空港の施設は経年劣化が進んでいきます。経年劣化による機能低下の過程において局部的に発生する施設破損の兆候を見落とせば重大な航空機事故につながってしまうため、劣化・損傷の程度や原因を把握し、老朽化の進んでいる施設について効率的かつ効果的な更新・改良を実施しています。
 空港の安全・安心な航空輸送の実現のため、必要な施設の整備を行い、今後の航空需要の回復及び増加にも対応した中国地方を支える空港づくりに取り組みます。

滑走路端安全区域(RESA)について

滑走路端安全区域(RESA:Runway End Safety Areaの略)とは、航空機が離着陸する際に滑走路を越えて走行し停止する「オーバーラン」または航空機が着陸時に滑走路手前に着地してしまう「アンダーシュート」を起こした場合(図1)に航空機の損傷を低減させるため、着陸帯の両端に設けられる区域(図2)です。
画像:アンダーシュート、オーバーランのイメージ
(図1)アンダーシュート、オーバーランのイメージ
画像:滑走路端安全区域の長さおよび幅
(図2)滑走路端安全区域の長さおよび幅

空港土木施設の老朽化対策について

空港土木関連施設の多くは航空機が使用するため、老朽化対策工事(図3)は、航空機運航終了後の夜間に実施しています。
画像:老朽化の事例と舗装改良工事の施工状況
(図3)老朽化の事例と舗装改良工事の施工状況

航空貨物

中国地方における国際航空貨物は広島空港・岡山空港で取り扱われていますが、フレーター便と呼ばれる貨物専用機で搬送されるのではなく、旅客機の貨物室で運搬されるベリー貨物となっています。
 中国地方発着の国際航空貨物の相手先として金額ベースの輸出入では、アメリカ合衆国と中華人民共和国が最大の相手国となっています(図1)。
 国内航空貨物は岡南飛行場を除く9空港で取り扱われ、品目別でみると移出は書類・印刷物、移入は精密機械が最も多くなっており、中国地方発着の国内航空貨物量はリーマン・ショック等に伴う景気後退の影響を受けた後、供給力の回復などから増加していましたが、景気の低迷などを背景に近年は減少が続いています。(図2)。
 今後、空港における取扱貨物量を増加させることが大きな課題です。このためには、航空貨物輸送の利便性を向上し、地域の企業が利用しやすい国際貨物航空ネットワークを構築する必要があります。
画像:(図1)国際貨物の取り扱い
(図1)国際貨物の取り扱い
画像:(図2)中国地方空港の貨物の取り扱い1
画像:(図2)中国地方空港の貨物の取り扱い2
(図2)中国地方空港の貨物の取り扱い

空港の旅客数

中国地方において国際定期航空路線が就航しているのは広島空港、岡山空港、美保飛行場となっており、リーマン・ショック後の景気回復からインバウンドの活性化等により増加傾向となっていました。中国地方で最も国際線旅客数が多いのは広島空港で、週27便の国際定期航空路線が就航しており、令和元年は約35万人が利用しています。
 また、国内線旅客数も中国地方が有する我が国有数の観光資源である世界遺産等の観光客需要もあり、令和元年は800万人に迫る、約794万人が利用しています。国内線旅客数が最も多いのは282万人の広島空港であり、岡山空港の131万人、出雲空港の105万人が続いています。
画像:空港の旅客数1
画像:空港の旅客数2

航路就航状況

現在、新型コロナウイルス感染症の影響により国際定期航空路線は全便計画欠航し、国内定期航空路線の一部も計画欠航していますが、令和元年の国際定期航空路線は12路線、週45便。国内定期航空路線は23路線、日83便の定期航空ネットワークにより、中国地方の経済社会を支えています。
 空港は、国内外から中国地域への観光客受け入れや、中国地域の住民の国内外への移動手段として、重要な交通基盤となっています。今後、国内外との交流を促進する上で航路の利便性、信頼性を高めることが重要です。