お知らせ

平成24年度 第1回 実りある学舎 「ケイ酸イオンに着目した広島湾の環境再生」

テーマ
「ケイ酸イオンに着目した広島湾の環境再生」

 

 - 概要 -
 広島湾のような海域における水圏生態系およびカキ・アサリ・魚類などの生物生産は、植物プランクトン(藻類)によって支えられている。その藻類の中でも珪藻は、鞭毛藻のような赤潮藻類とは異なり、善玉プランクトンとして生物生産に大きく寄与している。この珪藻は他の藻類では必要とされない珪素(ケイ素、シリカ)を必須栄養素として要求し、それによってその増殖が制限されている可能性も指摘されている。しかしながら、このケイ素については陸側からの供給も含め、海域での挙動に関してもほとんど知られていない。本講義では、この数年間の広島湾域の河川水ならびに海水のケイ素(ケイ酸イオン)の濃度変動等の調査結果をもとに、広島湾におけるケイ酸イオンの挙動について紹介するとともに、カキイカダ廃竹から製造した竹炭を添加することにより、ケイ酸イオン供給能を付与した藻礁・漁礁ブロックの実海域での実証実験ならびにそれを活用した広島湾の環境再生に関わる提言等を講演して頂きました。