イベント情報
令和6年度 第2回 実りある学舎「環境モニタリングの新技術」「鉄イオンによるブルーカーボンの活性化と海環境・水産資源の復活」
●演題Ⅰ 『環境モニタリングの新技術』
国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所
インフラDX研究領域 ビッグデータ研究グループ長兼 海洋環境制御システム研究領域 海洋環境情報研究グループ長
細川 真也 氏
ー 概 要 ー
最近、生物多様性保全への関心が、急速に高まってきている。港湾分野においても、生物共生型港湾構造物の構築の要請が強まっており、また「生物多様性増進活動促進法」の施行(令和7年4月)に伴う、ネイチャーポジティブへ向けた活動は避けられない状況にある。しかし,生物に係る調査は高コストであり,そもそも生物の多様性を測る 事自体が容易ではない。
本講演では,近年世界的にも技術開発が進んでいる環境DNAや遺伝子の解析技術が、如何に生物調査の低コスト化を可能にするかを解説し,港湾における生物多様性モニタリングの展望について述べる。 合わせて、広島港湾空港技術調査事務所(主催者)からの受託研究により、講演者が取り組んできた、比較的安価に海草・海藻分布の把握を可能とする技術を紹介していただいた。
●演題Ⅱ 『鉄イオンによるブルーカーボンの活性化と海環境・水産資源の復活』
県立広島大学 名誉教授
田中稔次朗氏
ー 概 要 ー
鉄は身近なごくありふれた金属だが、動物や植物、微生物など、すべての生命にとっては奇跡の原子である。鉄イオンは細胞のエネルギー代謝で重要な働きをする。地球温暖化防止のためのカーボンニュートラルには、鉄イオ ン技術によるブルーカーボンの推進が不可欠である。それは同時に海環境の回復と水産資源の復活につながる。
本講演では、鉄理論による二酸化炭素削減のメカニズム及び水溶性二量体鉄塩(FFC)と鉄イオン溶出体を用いた海環境・資源の回復の実証事例について報告していただいた。
講演会終了後には、参加者から
「ブルーカーボンの活性化は、これからの地球環境の希望が持てる話題であり、ワクワクしながら聴講できた。」
「環境DNA分析技術は大変興味深かった。」
「フォローすべき研究・技術を知る良い機会となった。」
といった声が聞かれた。また、タイムリーな話題に新しい知見が得られたとの声を多くいただいた。
■日 時:令和7年3月3日(月) 13:30~15:45
■場 所:中国地方整備局 広島港湾空港技術調査事務所[ハイブリッド開催]
■CPDプログラム認定番号:JSCE25-0140
CPDSプログラム認定番号: 959037
