国土交通省
中国地方整備局 港湾空港部

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 ○国際競争力の激化
 近年、東アジア諸国では製造業を中心に大規模な投資が行われ、大規模プラントなどの整備が進みつつあります。鉄鋼分野では、中国において大規模製鉄所の立地が進んでおり、近年急速に粗鋼生産量が増加しています(図1、図2)。また、化学分野でも、東アジア地域にはエチレンプラントが整備されており、中国においては大きくエチレン生産量を伸ばし、平成18年には日本の生産量を超えるまでに成長するなど、アジアにおける生産量が増加しています(図3、図4)。例えば、台湾では、最新鋭の石油プラント及び水深24mの大水深シーバースが整備された工業専用港を備えた麦寮コンビナートが整備され、2001年に操業を開始しています(図5)。麦寮コンビナートの工業出荷額は約2兆4,000億円であり、山口県の周南コンビナートの工業品出荷額約1兆5,000億円の1.6倍に当たります(表1)。中国地方の基礎素材型産業は大量の原材料やエネルギー資源を海外から輸入しているため、原材料調達コストの大きな割合を占める輸送コストの低減は国際競争力強化の大きな要因となります。
 中国地方の基幹産業である基礎素材型産業が生き残っていくためには、高付加価値部門を強化するとともに、汎用品部門においてもコスト削減を進め、世界最大の東アジア市場において一定のシェアを確保する必要があります。
 
図1 日本・中国・韓国の粗鋼生産能力の推移(平成10年-平成19年)
図2 中国における大規模鉄鋼所の立地(平成17年)
図3 日本・中国・韓国のエチレン生産能力の推移(平成10年-平成19年)
図4 中国における大規模エチレンプラントの立地(平成19年)
図5 台湾・麦寮コンビナートの概況
表1 台湾・麦寮コンビナートと山口県・周南コンビナートの比較
 ○中国地方の産業特性
 中国地方の総生産額の中で臨海部関連産業は重要な役割を果たしています。平成18年における臨海部関連産業*1)から発生する生産額は総生産額の28%を占めており、雇用面に関しても中国地方の従業員の21%を占めています(図1)。
 瀬戸内海沿岸部において、重化学工業を中心に工業地域が発達し、臨海部に立地する産業は石油、鉄鋼、化学など基礎素材型産業、輸送用機械や電気機械などの加工組立型産業が中心となっています(図2)。県別に見ると、岡山県では鉄鋼、石油、化学、山口県では石油、化学、広島県では輸送用機械や電気機械、鳥取県及び島根県では木材や電子部品等の企業が立地しており、それぞれ地域産業の中核を成しています。
 
図1 中国地方の臨海部産業から発生する生産額・従業者数(平成18年)
※1)海に面して立地している市町村における水運業倉庫業などの物流業、卸売業など物流支援業、金属製品製造業・
化学工業製品製造業など依存製造業。
図2 中国地方における製造業の立地状況(平成16年)
 ○港湾取扱貨物量
 中国地方の港湾の取扱貨物は、平成17年で4億4,608万トンとなっています(図1)。そのうち輸出が2,833万トンで6.3%、輸入が1億3,569億トンで30.3%、移出が9,993万トンで22.3%、移入が7,269万トンで16.2%、フェリーが1億1,125万トンで24.8%となっています。近年、外貿取扱貨物量は増加傾向を示しており、平成17年は約1億6,402万トン、全国シェアは13.2%になっています(図2)。一方、内貿取扱貨物量は横ばい状態で推移しており、平成17年は約1億7,262万トン、全国シェアが14.8%となっています。
 品目別でみると、輸出では完成自動車が25%、鋼材が23%と多く、輸入では基礎素材型産業の原材料や燃料となる鉄鋼石が28%、原油が25%、石炭24%となっています(図3)。また、移出では石油製品が17%、鋼材が15%と多く、移入では石灰石が18%、原油が12%となっています。コンテナ以外のバルク*1)貨物(ばら積み貨物)が全体の98%を占めており、臨海部に基礎素材型産業が多く立地する中国地方の特徴を反映しています。
 
図1 中国地方の港湾における取扱貨物量の外内出入別割合(平成17年)
※1)エネルギー資源や工業製品の原材料等一度に大量に輸送されるばら積み貨物。石炭、鉱石、原塩、穀物
木材、チップ等のほか、LNG、原油等の液体も含まれる。通常専用船で輸送される。
図2 中国地方の港湾における取扱貨物量と全国シェアの推移(平成7年-平成17年)
図3 中国地方の港湾における取扱貨物量の品目別割合(平成17年)
 港湾別では、背後に水島コンビナートを擁し、輸入鉄鉱石の取扱が全国1位の水島港は、1億206万トンを取り扱っており、西日本最大で全国5位の取扱量を誇っています。瀬戸内海側では、背後に周南コンビナートを擁し輸入原塩の取扱が全国1位の徳山下松港では6,624万トン、内貿フェリーによる取扱量が全国3位の宇野港では5,147万トンの貨物を取り扱っています。さらに、背後に西日本最大級の製鉄所が立地する福山港では4,418万トン、背後に化学メーカーが立地する宇部港では3,228万トン、背後に造船所や製鉄所が立地する呉港では2,350万トン、背後に岩国コンビナートが立地する岩国港では1,620万トン、背後に自動車メーカーが立地する広島港では1,560万トンおよび三田尻中関港では696万トン、発電所が立地する小野田港では382万トン、小豆島とのフェリーの就航している岡山港では374万トン、輸入原木の取扱が多い尾道糸崎港297万トンの貨物が取り扱われています(図4、図5)
 日本海側の港湾は瀬戸内海側と比べて取扱量は少なくなっていますが、境港は輸入原木や輸出紙パルプが国内の上位にランクされており、452万トンの貨物が取り扱われています。他には発電所が立地する三隅港では317万トン、隠岐の西郷港では137万トン、ロシアとの貿易額が増加している浜田港では75万トン、建設資材の取扱の多い鳥取港では41万トンの貨物が取り扱われています。
 貿易の相手先を金額ベースで見ると、輸出では中国、アメリカ、ドイツが上位を占めています(図6)。また、輸入では、産油国であるサウジアラビア、石炭の産出国であるオーストラリアが上位を占めています。
 
図4 中国地方の港湾別の取扱貨物量(平成17年)
図5 中国地方の港湾における主要品目の国内ランキング(平成17年)
図6 中国地方の港湾における外貿取扱貨物相手先の割合(平成18年)
 中国地方の外貿定期コンテナ航路は、韓国航路、中国航路、東南アジア航路、台湾航路、そして北米航路が就航しています(図7)。就航航路数は平成15年の週81便がピークで、平成18年では若干減少し週71便となっています(図8)。
 外貿コンテナ貨物量は、年々増えており、平成18年の取扱量は約52万TEUとなっています。港湾別の外貿コンテナ取扱量は自動車部品の輸出入の多い広島港が最も多くなっており、約16万TEUを取り扱っています(図9)。また、化学薬品の輸出の多い水島港、衣服等の輸入が多い福山港、化学工業品の輸出が多い徳山下松港、自動車部品の輸出入の多い三田尻中関港、化学工業品の輸出の多い岩国港が上位を占めています。取扱品目では、輸出入とも自動車部品が多くなっています(図10)。
 
図7 中国地方の港湾における外貿コンテナ航路の就航図(平成19年)
図8 中国地方の港湾における外貿コンテナ取扱貨物量と航路便数の推移(平成7年-平成18年)
図9 中国地方の港湾における港湾別の外貿コンテナ取扱貨物量(平成18年)
図10 中国地方の港湾における外貿コンテナ取扱貨物量の品目別の割合(平成18年)
 こうした中国地方の産業特性、港湾物流の現状、国際的な物流動向の変化を踏まえると、中国地方の産業の国際競争力の強化が、今後の港湾政策の課題のひとつとなっています。
中国地方の基幹産業である基礎素材型産業の国際競争力強化の課題は大型バルク貨物船による輸送コストの低減となっています。しかしながら、中国地方のバルクターミナルの大半は高度成長期前後に、民間企業により工場とともに湾奥に整備されてきました。そのため、近年の世界的に進展しているバルク貨物輸送船の大型化に十分対応できていません。また、整備後40〜50年近く経過し、航路・泊地の埋没や桟橋の老朽化も進行しつつあります。大型船入港に対応するための航路増深等は個別企業では対応困難であるため、今後、大水深の公共バルクターミナルの整備が必要となっています。
 また、瀬戸内海では大型バルク貨物船の入港困難な箇所もあるため、瀬戸内海における航路体系の見直し、ボトルネックを解消することが必要です。
 さらに、東アジアとのコンテナ貨物量は今後も増大すると予測されるため、コンテナ対応施設の強化を図る必要があります。臨港道路の整備によるアクセス機能の充実を図るとともに、陸上輸送においても国際標準コンテナ車*1)の通行できない支障区間を解消し、幹線道路ネットワーク(国際物流基幹ネットワーク)の確保を行い、海陸一体となった物流ネットワークを構築することが必要です。
 
※1) 海上コンテナ用セミトレーラ。フル積載時の重さは44t、高さ4.1m。
 ○港湾における船舶乗降客数
 中国地方の港湾の船舶乗降客数は平成8年以来、年々減少し、平成17年では年間2,359万人になりましたが、船舶乗降客数の全国シェアは20%前後と依然高い比率で推移しています(図1)。広島県における船舶乗降客数は1,918万人と全国1位で中国地方全体の81%を占めています。港別では宮島口と広島港などの間に定期航路をもつ厳島港で乗降客数が530万人と全国2位で中国地方最多となっています。また、中国地方に就航する島嶼部への旅客船・フェリーの航路は、平成19年には71航路になっています。
 このように、船舶は重要な交通手段となっており、今後、港湾の利便性、信頼性をさらに高めることが必要となっています。また、瀬戸内海を中心に多数の島嶼部への航路が存在し、港湾は地域住民の生活を支える重要な社会基盤となっています(図2)。
 
図1 中国地方の港湾における乗降客数及び全国シェアの推移(平成7年-平成17年)
図2 中国地方の島嶼部航路の就航図

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