国土交通省
中国地方整備局 港湾空港部

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  バルク貨物の効率輸送による産業の国際競争力強化
 中国地方の経済は、臨海部に立地する基礎素材型産業を中心として、東アジア市場の恩恵を受けて好況を呈しています。しかしながら、台湾の麦寮のコンビナートなど東アジア諸国において製造業を中心に大規模な設備投資が進み、今後、東アジア市場における競争は激化するものと予想されます。
このような中、引き続き中国地方の経済が発展していくためには、基幹産業である基礎素材型産業の国際競争力を強化し、東アジア市場で一定のシェアを確保していくことが重要です。
 基礎素材型産業は大量の原材料やエネルギー資源を海外から輸入するため、国際競争力を強化するには、製品及び資源の輸送コストを削減することが重要です。このため、スケールメリットを活かした大量一括輸送によるコスト削減を目的として、世界的にバルク貨物船の大型化が進んでいます(図1、図2)。特に、近年ではパナマックス型*1)(6〜7万トン積以上)やケープサイズ型*2)(15万トン積)のバルク貨物船が「国際標準」となりつつあります。
 しかしながら、中国地方の港湾は主に高度成長期に整備され、施設の陳腐化が進行しつつあるとともに、岸壁や航路は、近年の世界的なバルク貨物船の大型化に十分対応できていません。このため、大型の船舶が就航できない、あるいは、潮待ちや喫水調整(船舶の喫水を浅くするため積載する貨物量を少なくすること)が必要となるなどの非効率的な輸送を余儀なくされています(図3)。
 このため、以下の施策の推進を図ります。
 
※1)パナマ運河を通行しうる最大の船型の貨物船。
※2)パナマックスを超える船型の貨物船。
図1 船舶の大型化によるコスト削減
図2 バルク貨物輸送船の船型別の隻数の推移(昭和50年-平成17年)
図3 潮待ちのイメージ図
 近年、バルク貨物船はパナマックス型(6〜7万トン積以上)やケープサイズ型(15万トン積以上)の大型船が世界の主流になりつつあります。こうした状況に対応するため、ケープサイズの大型貨物船が入港可能なスーパーバルクターミナルを拠点的に整備します(図4)。スーパーバルクターミナルの整備は、スケールメリットを活かした大量一括輸送や、他港へ2次輸送を行うことにより、エネルギー資源の輸送コストの大幅な削減が図られ、産業の国際競争力の強化に繋がります。
 今後、スーパーバルクターミナルの実現に向けて、平成20年度に制度化されるバルクターミナルの一体貸付制度や、民間事業者による荷役機械等の整備に対する支援制度などの諸制度を活用し、官民が協力した取り組みを行っていきます。
 
図4 スーパーバルクターミナルの拠点整備イメージ図
中国地方の産業の国際競争力を強化するため、原材料やエネルギー資源の輸送コストの削減を図るには、パナマックス型のバルク貨物船に対応した水深14m以上の公共岸壁の整備が必要となっています。現在、中国地方ではバルク貨物に対応した水深14m以上の公共岸壁は、3バースが整備されているのみで、まだまだ十分とは言えない状況です(図5)。このため、中国地方の各港湾において、水深14m以上の公共岸壁の整備を推進していきます。
 
図5 中国地方におけるバルク貨物に対応した水深14m以上の公共岸壁整備箇所(平成19年度)
 ケープサイズ型のバルク貨物船は、瀬戸内海の各港湾では、港内の航路などにおける水深不足などがボトルネックとなり、入港できない、あるいは潮待ちなどの非効率な輸送形態を余儀なくされます(図6)。こうした状況に対応するため、関係行政機関等と連携し、瀬戸内海航路整備計画の改訂や航路の増深・拡幅などによるボトルネックの解消など、瀬戸内海の航路体系の再構築に取り組みます。
 また、関係行政機関や民間企業と協力して、民間事業者の施設の整備を、費用の一部を負担させながら、公共工事として実施資金を活用する産業関連港湾事業制度の拡充などに取り組んでいきます。
 
図6 中国地方における航路体系と各港における最大水深の係留施設と航路
  国際コンテナ貨物の効率輸送による産業の国際競争力強化
 中国をはじめとする東アジア諸国は、加工組立型産業や生活関連産業にとって海外生産拠点や水平分業の相手先としてのみならず、成長市場として我が国とのつながりを強めています。その結果、アジアとの製品・半製品の荷動きが活発化し、その輸送手段であるコンテナ貨物の取扱量は増加しています。中国地方を発着する外貿コンテナ貨物のうち、アジア方面のコンテナ貨物の割合は平成10年の63%から、平成15年には77%まで増加しました。このうち、中国地方の港湾を利用しているコンテナ貨物の割合は平成15年には63%となっており、その他のコンテナ貨物は神戸港・大阪港や博多港・北九州港などの他地域の港湾を利用しています。
 今後、東アジア各地域との競争が激化するものと予測されることから、国際コンテナ貨物輸送において中国地方の企業が近隣地域の企業と比べ、リードタイムやコスト面で不利とならないようにすることが求められています。
一方、北米や欧州との定期コンテナ航路は、基幹航路と呼ばれ、一般的にパナマックス型、オーバーパナマックス型の大型のコンテナ船で運航されています。北米や欧州の定期コンテナ航路が就航するには、一定以上の規模のコンテナ貨物が必要となりますが、現状では中国地方の各港湾では十分な規模のコンテナ貨物を集約することが難しい状況です。
 また、コンテナ貨物を効率的に輸送するためには、各港湾から背後地域への陸上輸送を円滑に行うことも重要であり、港湾と背後地域の物流拠点などとのアクセスの強化を図ることが必要です。
このため、以下の施策を推進します。
 
図1 広島港に入港するコンテナ船
※1)パナマックスを越える船型のコンテナ輸送船。
 中国をはじめとする東アジア諸国との国際コンテナ貨物は、今後も東アジアの経済成長に伴い大きく増加するものと予想されています。中国地方は、東アジアに近接しているという地理的な優位性を有しており、そのメリットを活かすため、東アジアとのダイレクト輸送体系を確立し、迅速かつ低廉で安定したサービスを提供することが重要です(図2)。
 このため、コンテナターミナルやガントリークレーンなどのコンテナ荷役機械の整備など、コンテナ対応施設等の整備を進めます。また、コンテナターミナルの一体貸付制度の活用によるターミナル運営の効率化を図ります。
 さらに、シングルウィンドウ*1)化による港湾手続きの簡素化、電子タグ*2)やITを活用した情報の共有など、リードタイムの短縮や複雑化する物流への対応を進めるとともに、複数の港湾管理者が連携したコンテナ航路の誘致など港湾サービスの向上に努めます。
 一方で、今後、境港とウラジオストクとの間で日本海横断航路が開設される予定があるなど、ロシアと環日本海地域の経済的な結びつきが強くなることから、ロシアとの輸送体系の確立についても検討が必要になると考えられます。
  
図2 中国地方発着アジア向け国際コンテナ貨物の管内港湾利用率(平成15年、平成24年)
※1) 入港や関税などの輸出入に関する手続きを1回の入力や送信で可能となること。
※2)ICチップとアンテナで構成され、物品等に装着するもので、中の該当物品等の識別情報等を記録し、電波を利用
することでこれらの情報の読み取り書き込みが出来るもの。
 
 北米・欧州向けのコンテナ貨物の効率的な輸送のためには、スーパー中枢港湾である大阪港・神戸港、博多港などの北部九州の港湾との連携を強化することが必要です。
 スーパー中枢港湾との連携強化にあたっては、環境への配慮や輸送コストの低減のため、関係行政機関や民間企業と連携し、陸上輸送から海上輸送への転換を促進するなど内航海運の活性化を図り、瀬戸内海における内航フィーダーサービス*1)の充実に努めます。
 
 国際コンテナ貨物を効率的に輸送するためには、海上輸送ネットワークのみならず、港湾と背後地域を結ぶ陸上輸送ネットワークの効率化を図ることが必要です。
 このため、臨港道路の整備を推進し、港湾と背後地域とのアクセス機能の向上を図ります。また、「国際物流基幹ネットワーク」において、国際標準コンテナ車(フル積載時44t、高さ4.1m)の通行できない支障区間の解消が進められています(図3)。
 
図3 水島港における臨港道路整備
※1)北米・欧州方面への基幹航路が就航するスーパー中枢港湾等と地方港湾を結ぶ海上輸送サービス
  臨界部の再編による地域経済の活性化
 海上輸送の利便性、大規模な用地確保の容易性、関連企業への近接性などから臨海部は産業立地に高いポテンシャルを有しています。中国地方の臨海部には、基礎素材型産業や加工組立型産業などが数多く立地しており、これら産業などから誘発される効果により、臨海部に関連する産業の生産額は中国地方全体の28%を占めています。
 また、近年、東アジアの経済成長による需要の拡大、高付加価値製品へのシフトによる企業の業績回復などにより、各企業は生産力の拡大が求められており、臨海部における新たな用地取得に対するニーズが高まっています。
 このため、以下の施策を推進します。
 
 臨海部における企業の新たな用地取得に対するニーズは高まっていますが、既存の土地利用にあたっては様々な規制があり、企業立地のための土地利用計画の変更に期間を要し、企業進出が進まないなどの問題が生じる場合もあります。
 このため、埋立地の用途と異なる土地利用計画の変更に伴う手続きの迅速化を図るとともに、臨海部の土地の有効活用を図るための諸規制の緩和、遊休化する臨海部用地(竣功後5〜10年)における港湾法特例の適用を検討するなど、臨海部における企業立地が促進される環境の整備に取り組みます。
 
 高まる企業の用地取得ニーズに対応するためには、臨海部における新規事業用地や物流用地を確保する必要がありますが、埋立等による新たな土地の造成のみでは必要な用地の確保は難しく、現在遊休化している用地を有効に活用することが必要です。
 このため、臨海部の土地利用情報の企業への提供、臨海部の分譲地のリースを円滑にするための制度の検討など、臨海部の遊休地の有効活用を促進するとともに、官民が協力しつつ、環境保全に配慮した上で、埋立や海面処分場の整備などによる用地の確保に取り組みます。
 

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