意見交換時の主な意見
<中国地方海運組合連合会>
 内航海運組合連合会は、国際物流戦略チームの一員に加わることについては非常に心配するところと期待をするところがある。
 
 岸壁に行っても内航船が航行している姿は見えないので、内航に対する国民の認知度が低い。陸上であれば毎日トラックが走っているので、非常に理解をしてもらいやすいが、内航船は社会的に非常に認知されづらい。PRに問題があるのかもしれない。
 
 国際物流の切り口から言えば、我々の内航船が果たす役割は二次フィーダー輸送であると思っている。そういう意味では期待をしているが、ダイレクトで外貿貨物が港湾に入るということは、内航船が不要であるということになる。
 
 日本は四面を海に囲まれているので国内各港間を結ぶ内航船の果たす役割は非常に大きく、将来的に内航船が消える日は絶対に来ない。内航船で運んでいる貨物が陸上へシフトするということは物理的に無理なことである。そういう意味では内航船の必要性というのは御理解を頂けると思う。
 
 内航船の実態として船員が非常に高齢化しており、将来的に非常に心配である。船員を育てるには時間が必要であり、5・6年かけても一人前ではないという状況である。年齢構成は、50代以上が60%近くを占めており、近々内航船員がいなくなるのではないかと非常に心配している。
 
 それでも内航が無くなるということはない。ではどうなるかというと、外国船員を持ってきたり、また、外航船が内航を侵してくることも考えられる。外国船籍の船が日本の各港間でダイレクトとフィーダーを兼ねて来るのではないかと心配している。ただ、欧米では国防上あるいは緊急災害時に自国の船員がいないと困るという趣旨から、自国の船員あるいは内航船の保護政策を実施しているところである。
 
 制度としてカボタージュがあり、これは自国の各港間を航行する船舶は自国のものでなければならないという制度である。この制度を堅持してもらわない限り、内航にとっては非常に危機的な状況となる。しかし、ある地区ではカボタージュ撤廃の特区の申請をしたり、事実沿岸特許申請というものを運輸局に提出したりして、外航船が各港間を行き来できるという船舶法上の特例もある。
 
 以上述べたように、内航業界としては先々を心配している。今回、中国地方国際物流戦略チームの一員となって不安もある一方で、内航フィーダーの活用という意味で御提案、論点整理をしていただければありがたい。
 
<中国地方港運協会>
 中国地方における港湾運送事業の現状について説明する。まず、船舶積卸し実績についてであるが、これは中国運輸局において今年7月に公表された平成17年度中国運輸局管内の船舶積卸し実績となっている。中国地方港運協会では境港を除く11港において135事業者が港湾運送事業を営んでいる。岡山県においては岡山港、宇野港、水島港、笠岡港、広島県においては福山港、尾道糸崎港、呉港、広島港、それから山口県においては岩国港、徳山下松港、三田尻中関港となっている。
 
 平成17年度の積卸し実績は対前年度比で、若干ではあるが減少している状況となっている。景気の回復状況が伝えられているが、中国管内における港湾の積卸し実績はむしろ減少している。
 
 取り扱い輸送品目は、主に中国地方では自動車、実入りのコンテナが増加している状況である。一方、石炭、金属鉱、鉄鋼という基礎素材については、対前年度比で減少している。
 
 港別に見ると広島港他5港で増加しているが、水島港他5港では減少している。一番増加しているのは山口県の三田尻中関港で16.8%増。内訳としては広島港、三田尻中関港においては自動車。また三田尻中関港では実入りコンテナも大幅に増加している。
 
 外貿コンテナについては対前年度比3.5%の増加となっている。以上が平成17年度実績の主な特徴である。
 
 港湾運送事業法の改正については規制緩和に伴うものであるが、改正の背景・目的として、東アジアと欧米との間を結ぶコンテナ基幹航路における日本の港への寄港回数が減少するなど、東アジアにおける日本の港の地位は低下しており、その原因の1つとして免許制の下では事業者間の競争が生まれにくく、船社、荷主のニーズにあったサービスが提供されづらい点が指摘されている。
 
 今回の法律改正は、平成12年に先行して規制緩和された主要9港に引き続き、それ以外の全ての港湾についても、参入規制や運賃・料金規制を緩和することによって、港湾運送事業の効率化、サービスの向上を図ることを目的とするものである。
 
 改正内容は、地方港も含む全ての港湾において一般港湾運送事業等に係る需給調整規制を廃止し、免許制を許可制に改める。これが一番の重要点である。また、運賃・料金についても、認可制が事前届出制に改められている。
 
 以上のように、本年5月半ばに改正法が施行され、地方港にも適用されるという状況になっている。
 
 このような状況の中で業界としての意見であるが、先程申した通り国内経済においては景気の回復が伝えられている。しかし、平成17年度の管内実績を見ていると減少している。港湾間の格差も出ており、地方港の現状は非常に厳しいと思っている。
 
 皆様の御指導をいただきながら、しっかりとした対応をしていかなければならないと考えているので、よろしくお願いしたい。
 
<門司通関業会>
 事務局よりホームページの話があったのでそれについて意見を述べたい。関係団体等にアンケートを行う際には、各関係官庁が様々な資料をホームページ等に公開していることを踏まえて、足りないものだけについて実施していただきたい。物流に関するアンケートには当然できるだけ協力するが、重複が無いようにお願いしたい。
 
<中国トラック協会>
 燃料の高騰で大変困っている。御承知のとおりトラックは軽油を使用するが、価格がこの2年間で1リットルあたり30円も上昇している。単純に計算すると中国地方で年間300億円の経費増となっており、割合にすると3〜4%増となる。
 
 中小零細が多いので元々平均の利益率が0.2%しかない。よって完全に赤字である。また、産業全体の平均賃金は増加しているが、トラックは逆に減少している。そのため、人が集まりにくくなっているなど、労働力不足も問題となっている。
 
 港湾アクセスについて、物流コスト削減を図る上で障害となっているのが、車両の大型化ができないという日本の道路事情の悪さである。技術的には日本はトップだが、道路や橋が古く、重量制限や高さ制限により大型化がなかなか実現しないという状況となっている。
 
 そのような状況だからこそ、まだまだ日本の道路はネットワークを形成しなくてはならない。山陰では特に高速道路が未整備であるし、一般道路の改良という面での社会資本整備にも金がかかる。したがって私共は、道路特定財源の一般財源化には反対であり、もっと道路整備に使うように申し上げているところである。
 
 中国地方国際物流戦略チームの中でも特にそのような面で、物流コストに悪影響を与えている道路の整備・改善に向け、提言を行っていただきたい。
 
<中国地方倉庫協会連合会>
 中国地方倉庫協会連合会ではこの8月に役員会が開催され、全体的には輸出の持ち直し、特に自動車関連は高水準で生産されていることもあり、倉庫の保管状況は概ね満庫であることを確認している。しかし、荷主ニーズとしてコストダウンや合理化等が求められ、倉庫業界としては厳しい状況にある。
 
 合理化ということで特に推進しているのが、中国グリーン物流パートナーシップ会議でもあるようにモーダルシフトの推進、グリーン経営の推進等である。これらを通して、荷主が求めている受注から発送、輸送、仕分け、検品等の一括した委託によりコストダウンを図りたいという状況下にある。
 
 民間事業者による埠頭の一体的運営、こういうところにも倉庫業界としても御協力できるのではないかと考えている。
 
<中国冷蔵倉庫協議会>
 我々の業界は+10℃〜-50℃の温度域までで冷凍食品を主に扱っている。先程、道路整備の話もあったが、整備の進捗により阪神や九州からの貨物直送体制が進み、山陽においては入庫、在庫が激減している。山陰においては道路整備がそれほど進んでいないこともあり、基本的には在庫が大幅に減っているということは無い。冷蔵庫の容量は、広島153,000トン、岡山75,600トン、山口18,000トン、島根11,000トン、鳥取31,000トンで中国全体では約288,000トン、これを約70社で取扱っている。
 
 直送体制が進むことは保管業者としては非常に厳しい。冷蔵庫の保管だけではやっていけないので、山陽地区では例えば阪神や北部九州から夕方発送した貨物を夜間に受け、仕分けをして明け方にエンドユーザーに届ける、といった仕分の仕事が増加している。
 
 広島は船便・搬入コスト等の問題で食品の外貿貨物が少なく、阪神・九州揚げしたものを引っ張ってきている。中国地区または広島で見たときでも、消費量的には躊躇する。1コンテナに小ロットで多品種の混載が可能な仕組みができるようになれば、状況は変わるのではないかと考えている。
 
<航空貨物運送協会>
 輸出入における輸送手段としては圧倒的に船便が多いが、航空貨物も昨今は品目の幅も増えている。中国地方の国際定期便の就航状況であるが、広島空港は8社7路線週34便で主に東アジア地区やグアム向け、岡山空港は3社3路線週16便、米子空港が1社1路線週3便となっている。ただ、いずれにせよ全て旅客便となっている。
 
 広島空港の貨物取扱数量は輸出入合計で年間約2,000トン前後である。他空港と比較すると、5月の実績では広島空港は150トン、成田空港が172,000トン、関西空港が58,000トンと、広島空港は関西空港の1%にも満たない。これには阪神地区との絶対的な物量の差があるとは思うが、広島空港は貨物を載せるスペースの不足や機材が小さいことも理由の一つである。輸出貨物の大部分が、トラック輸送で関西空港や場合によっては中部国際空港を利用しなければならないという実態もある。
 
 広島の取扱い貨物を大きく伸ばすには、機材の大型化、上屋の整備についての検討も必要である。
 
<日本貨物鉄道株式会社>
 国内の鉄道輸送として12フィートコンテナの輸送を行っており、国際的な物流としては韓国との間で昭和46年から日韓フェリーを活用した輸送を行っている。国内で鉄道輸送を行い、下関港から韓国へ向けて船舶輸送し、また韓国の中で配送をかけるという形で行っている。平成14年には韓国の馬山への輸送を、平成15年からは青島への輸送も開始した。
 
 港からのフィーダー輸送のために、全国の53駅に大型のトップリフターを設置している。広島にも設置しており、現在20トンのものが年内には24トンになる予定である。
 
 鉄道輸送は旅客と同一のレールを走るため列車が競合してしまう。来春に向けて一本あたりの輸送力を増強し、現在の24両1,200トンを26両1,300トンにするため、線路の改良も行っている。来春、九州から首都圏へ向けて輸送力を増強していくこととなっている。