お知らせ

【報告】令和元年度 第1回 実りある学舎を開催しました

     
           

 

 

 

- テーマ -

 『 ドローンを用いた高潮調査と外郭施設の洗掘・吸い出しについて 』

 

- 概 要 - 

 

  港湾には様々な外郭施設があり、波浪から港湾の内部を安静に保つ防波堤の他、津波や高潮の被害から
陸域を守る防潮堤、海岸の侵食を防ぐ海岸護岸などがある。
 近年、インフラ設備緊急点検によって目地部の周辺に空洞が頻発していることが明らかとなり、空洞の
発生に起因する陥没被害も全国で報告されている。護岸が機能を発揮し、背後地の安全を確保するには、
原因を明らかとし、設計や施工における対応策を講じる必要がある。

 また、防波堤等、陸から離れた箇所の被害調査は、従来、施設に上陸して人力で実施していたが、新た
な調査技術を活用することで安全に調査することが求められている。

 

 本講演では、港湾空港技術研究所 海洋研究領域耐波研究グループ長 鈴木 高二朗氏を講師にお迎え
し、全国各地で起きている護岸の空洞・陥没の原因とされている砂の吸い出しについて対応策の提案や平
成30年に神戸港を襲った台風による高潮被害の調査へのドローンの活用についてご説明いただいた。

 

 平成30年台風21号による神戸港の高潮被害については、ドローンを用いて上空から浸水被害の様子
を撮影した写真を多用してご紹介いただき、コンテナの漂流した様子などを視覚的に知ることができた。
 また、高潮による浸水被害には現在の地盤高さを精度良く把握しておくことが重要であり、新たな技術
を取り入れたドローンの活用によって可能であることと、被災後も離れた箇所から安全に制度良く調査で
きることが理解できた。

 

 護岸や岸壁の目地部周辺に生じる空洞や陥没被害については、原因とされている施設背後の砂の吸い出
しについて、対応の経緯等をお話いただいた。
 主には1996年の護岸シンポジウムにて防砂板等に関する設計・施工の課題と対策について議論がさ
れたこと、その議論によって防砂板の最低規格が港湾の施設の技術上の基準・同解説に反映されたことの
紹介がされた。
 また、2001年に人工海岸で起きた陥没事故をとりあげ、防砂板が摩耗で擦り切れたことで砂が吸い
出されて空洞が生じ、波の作用や潮位変化といった外力によって陥没が起きたという考察結果をご紹介い
ただいた。
 対応策として、防砂シートの破れ防止や、目地板に作用する波力の低減策について実証実験が行われて
いることも紹介された。

 

 説明会終了後には、参加者から
「コンテナターミナルの高潮被害などドローンで見ると状況がわかりやすかった」
「気になっていた吸出し、消波ブロックの話が聞けて良かった」といった声が聞かれた。

 また、今後聴講を希望するテーマとして
「水中ドローンでの調査例」
「海上風力発電」が挙げられた。 

 

■ 講 師:国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所
     港湾空港技術研究所 海洋研究領域   
     耐波研究グループ長 鈴木 高二朗 氏
■ 日 時:令和元年8月26日(月) 14:00~16:00
■ 場 所:中国地方整備局 港湾空港部 会議室
■ 土木学会継続教育(CPD)プログラム認定番号:JSCE19-0832

 

詳細については、イベント情報の「実りある学舎」よりご覧下さい。
過去の開催内容を掲載しています。